2人の日本人フリー・ジャーナリストの死に対して
ガンジーの会よりアピール
5月27日、バグダッド近郊のマフムディアで、2人の日本人フリー・ジャーナリストが襲撃を受け亡くなられました。報道によれば、2人はサマワに駐屯する陸上自衛隊の取材に必要な立ち入り証の交付を受けるため、宿営地を訪れた後、バグダッドに向かう途中であったということです。
まことに傷ましい出来事で、非暴力をかかげる「ガンジーの会」として深く哀悼の意を表します。
同時に、あらためて「大儀」のないイラク戦争を引き起こした者への憤りを覚えます。武力によって自分たちの「主義主張」を押しつけようとするブッシュ政権と、これに一方的に追従し憲法解釈をねじまげて自衛隊をイラクに派遣した小泉政権。彼ら2人の死の背景に、2つの権力のエゴイズムがあることは否定できません。
ブッシュ大統領の「戦争終結宣言」から1年以上が経過したのに、イラク情勢は泥沼化の一途をたどり、アメリカ国内でも、ブッシュ政権のイラク戦争は間違いであったという世論が多数派になりつつあります。
むきだしの武力・暴力によっては、本質的には何も解決しないということを、人々が理解しはじめた証拠です。
イラクでは今も、日々、おびただしい人間の血が流され、国土の荒廃が進んでいます。日本政府がイラクへの復興支援」を強調するなら、今こそ、自ら自衛隊をイラクから撤退する「勇気」を示すとともに、アメリカに向かって戦争の非を訴え、政策の転換を強く要請すべきです。
イラク情勢はすでに「ベトナム化」の道をたどっており、これ以上、アメリカがイラクへの占領政策を続けることは、「憎しみの連鎖」をひろげるだけで、世界に「宗教戦争」の危機をもたらし、テロリズムを一層拡大させるだけです。
2人の有為なジャーナリストの死を無駄にしないためにも、ガンジーの会では、小泉政権に対したあらためてイラクからの自衛隊撤退を強く要求します。さらに戦争の早期終結にむけて、アメリカに強く働きかけるとともに、国連を中心にすえた積極果敢な外交政策を展開するよう要請します。
2004年5月29日
ガンジーの会