事態急変にどう対処するか


 
  
  「ハンスト・ウィークエンド」に、多数の方々が参加下さり有難うございます。11日午前0時から24時間、15人の方がハンストに参加してくれました。感謝、感謝の言葉あるのみです。

 さて、昨晩12時過ぎ、ハンストを終え、やれやれとお茶を飲みながら、このページを開いたら、三宅さんから「大変です!」のメールが入っていました。どうなっているんだろうと、TVのチャンネルを回してみても、事態急変を告げるニュースは流しておらず、1時のNHKのニュースも伝えていませんでした。
そのまま、ハンストの疲れもあり、眠りに着き、翌朝7時半に目を覚まし、TVを入れたら、三宅さん、柴田さんの書き込みにあるとおり、事態の急変を伝えていました。
確かに、私たちは、11日、アルジャジーラが伝えた、人質解放のニュースをナイーヴに信じすぎていたのかもしれません。でも、そのことを後悔したり、とがめたりする理由はまったくないと思います。
あの拉致された家族の方々の悲痛な声を聴いたものとして、もし人間として当たり前の感情があるなら、彼らの不安や絶望、怒りは人事でなかったはずで、気持ちの上で彼らと一体化して、事態の推移を固唾を呑んで見守っていた。そこに、人質解放のニュースが流された。しかも、私たち日本国民の力で自衛隊を撤退させてほしいというメッセージまでつけて・・・・。私たち、いえ日本人全員が「ああ良かった!」と救われた気持ちになっても不思議でありません。

 事態は水面下で激しく動いているようです。にもかかわらず、私たちに与えられる情報は限定されてます。こうしたときは、慌てず騒がず、冷静に事態の推移を見守ることです。
朝のニュース番組やワイド・ショーを一通り見て,ただ一つ救いだったのは、イラクの宗教指導者の一人が、新たな要求を出してきた武装ゲリラの代理人と称する男に、「どこからそんな情報を持ってきたのか?」と懐疑を表明し、「イラクの人間は約束を破らない!」と言明していたことです。
イラクの人たちの英知と信義と勇気を、私は信じたいと思います。

 いづれにしても、私たちが緊急メッセージとして提案した、二つの方法、すなわち「自衛隊の撤退」と「人質の解放」しか、問題解決の方法はありません。 しかし、「人質の解放」は、私たちにできることでありません。私たちにできることは、「自衛隊を撤退させること」、それができなければ「小泉内閣」を打倒すること。 それしかありません。そのために、一人一人ができることをやっていくしかない。私はそう信じています。

 今朝のテレビ報道を見ていて、一つ気付いたことを書いておきたく思います。それは、ジャーナリストや軍事評論家、コメンテーターを含めて、事がここにいたっても、自衛隊をイラクに継続駐留させたがっている人たちとそうでない人たちとで、はっきり区分わけができてきたということです。
例えば、テレビ朝日の「モーニング」で、ジャーナリストの鳥越俊太郎は、アメリカの武力によるイラクの民主化作戦が破綻を来たしている以上、それに同調する形での自衛隊のイラク駐留は考えなすべきであると発言していたのに対して、一見冷静で客観的な語り口の軍事評論家、小川和久は、テロの要求を呑んで自衛隊を撤退させれば、テロを付け上がらさせるだけで、今後ますます日本人が人質に取られる危険があるという理由で、撤退に反対していました。
しかし、今回NGO活動と報道取材のためにイラクに入った3人が拘束された原因が、自衛隊のイラク派遣にある以上、自衛隊が撤退しない以上、今後ますます日本人が人質に取られることになって行くのではないでしょうか。
この軍事評論家は,武装ゲリラを「テロ、テロ」と呼んでいましたが、これは、武装ゲリラを「テロ」と特定することによって、「テロの理不尽な欲求に屈して自衛隊を撤退させるわけには行かない」という意識を国民世論に植え付け、人質解放後も、自衛隊をイラクに駐留させ続けようという身勝手な魂胆の表れにほかなりません。
これまでに何度も言いましたように、イラクは今戦争状態にあるのです。 これが、平時の社会で起こった人質事件なら、「テロ」と呼んでもいいでしょう、しかし戦争状態の中で起こった拉致事件なのですから、むしろ「捕虜」の問題と考えるべきです。重要なことは、「捕虜」にも人権が認められ、むやみに処刑することは禁止されているということ。特に、彼ら3人が、イラクを平和的な手段によって復興させようという目的で、イラクに入り、囚われの身になったということ。
だからこそ、武装ゲリラは3人を処刑してはならないのです。 言い換えれば、日本は、日本国民たる3人の返還を求める権利を有しているのです。だがしかし、イラクの人々が、アメリカ軍を「敵」とみなし、その「敵」に同調する形で派遣された自衛隊を「敵」とみなしている以上、「捕虜」の返還に当たって、見返りを要求するのは戦時における常識ではないでしょうか?
にもかかわらず、彼らは日本国家からの見返りは要求せず、代わりに、私たち日本国民に「自衛隊撤退」に向けて、立ち上がることを望んだ。 これは戦時における常識(武力による報復と憎悪の永久連鎖)を超えた友愛、あるいは信義の意志の表明であり、イラク問題を平和的に解決するうえで、唯一の可能性がそこに託されている思います。
だからこそ、私たちは、人間の信義の問題として、「自衛隊の撤退」、あるいは「小泉内閣の退陣」に向けて、立ち上がらなければならないのです。 その意味で、この人質事件は、私たち自身の問題なのです。 つまり、この問題が、どのような形で解決されようと、「自衛隊撤退」は、私たち自身の問題として、残り続けるということです。

 最後にもう一言、テレビ局をはしごしながら、ニュース番組やワイド・ショーで中東問題専門家や軍事評論家、パネリスト、ジャーナリスト、芸能人がしゃべりまくっていますが、信用できそうな人とそうでない人とで玉石混交の有様を呈しています。
そこで、一つ偽者と本物を見分ける簡単な方法をお教えします。
武装ゲリラを「テロ」呼ばわりしている人は、基本的に自衛隊の撤退に反対している人です。特に軍事評論家は、撤退されると食い扶持にあぶれるので、何が何でも撤退に反対し、「テロに屈するな!」という言葉を連発しています。彼らに共通するのは、動機が卑しいので、顔に品性がないことです。




     

  
                                            

 

  a hunger strike reray marathon