Q&

 

 

以下は、2月9日に行われた第一回「9の日・9条・ハンスト・イン」以降、ホーム・ページの「フリー・トーク」に寄せられた批判や疑問に対して、「ガンジーの会」からの返答、反論として公にしたものを、項目ごとに整理し、まとめたものです。各位、「フリートーク」などに書き込みをされる前に、目を通され、同じ質問は繰り返さないようにお願い致します。

尚、「ガンジーの会」の会則やハンストの「実施要項」(「ハンスト参加要項」と「ハンストを行う上での注意事項」)、削除規定などは、それぞれトップ・ページの項目をクリックして、お読みください。


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1−リレー式のハンストにした理由は何ですか?

A−そのほうが一人の人に負担が掛かり過ぎないし、多くの人が継続的に参加できるからです。   

デモや集会、新聞紙面での意見広告、署名運動など、市民の「不承認」行動には、いくつものスタイルがあり、それぞれが意味を持っていると思います。ただ、そうした運動は、一回だけのイベントであり、その分,現実的インパクトは強いものの、一過性の出来事して、終われば急速に忘れられてしまいます。私たちは、そうした限界を乗り越え、持続的に粘り強く「ノン」の意志を表明するために、リレー式のハンストを立ち上げたわけです。
それと、個人による単独長期間ハンストを行わなければならないほど、事態がまだ切迫していないことも、リレー式を選んだ理由の一つです。

2−ハンストをすることが、なぜ「市民の不承認」になるのでしょう。

A−私たちは毎日3度食事をして生活しています。それは単に生物的に生きていくためでなく、おいしいものを食べたり飲んだり、食べながらおしゃべりしたりと、文化的な意味でも食べることを楽しんでいるのです。

ところが、ハンストは、意図的に、食べるという日常的時間と行為の流れを断ち切り、しかも、人間が生きていく上で、一番必要な食べ物の摂取を断ち切ってしまう。それは、相当の勇気が要ることであり、苦痛と忍耐を強いられる行為です。そのような行為をあえてしてまで、そのことに「ノン」を言いたいという決意と覚悟、そして乗り越えるべき苦しみや忍耐の大きさが、「ノン」の意志の伝達性をより強く、大きくし、政治的な抗議の意味を持たせるのだと思います。
     
断食、あるいは絶食という行為は、古来、宗教的求道者によって行われてきました。政治的な抗議行動としてのハンストは、不当に牢獄に繋がれた政治犯や市民による街頭、あるいはリレー式のハンストが行なわれてきましたが、長くて一週間とか10日間くらいで、長続きしませんでした。ハンストをインターネットを介した市民の抗議行動して位置づけ、2年間以上の続けてきたのはガンジーが初めてだろうと思います。

3−普通、ハンストというとガンジーとか瀬戸内寂聴さんのような、個人による長期間(あるいは無期限単独ハンストが多かったように思います。

A−そうです。ガンジーの場合、短いときで3日間、長いときで23日間ハンストを行っています。ただ、このような長期単独ハンストは、ガンジーが良い例ですが、国民的信望を担った指導者が、国民に成り代わって行うシンボリックな抵抗行為であり、それゆえに大きなインパクトを持ち、政治を動かす力を持ちえるのだと思います。ただ、その場合でも、一回だけの事件としてマスコミからは大きく取り上げられるかもしれませんが、終わるとすぐに忘れられてしまうという問題が残ります。私たちの場合は、とてもガンジーのような大きな存在出ないので、リレー式で持続的に「不承認」の意志を表明していくことを選んだわけです。

 

高々24時間くらいのハンストでは、ガンジーを侮辱することになるのでないかという批判の声もありますが。

A−確かにそういう声があることは知っています。しかし、ガンジーは、「市民の不服従」行為としてハンストを行ったのであり、ハンストを行うことで自分が神格化されることを嫌っていました。そうした意味で、たとえ24時間であれ、「市民の不承認」行為として、持続を目的にリレー式でハンスを行っていることを、ガンジーは許してくれていると思います。
 
重要なことは時間の長さではなく、自らの意志によって食を断つこと、そしてそのことによって、「ノン」の意志を対外的に表明することだろうと思います。ハンストに命を賭けたガンジーのことは置くとして、たとえ24時間とはいえ、市民としての生活を普通に続けながら、毎週一回、2年間ハンストを続けることは、相当の覚悟と忍耐力を必要とする苦行であるはずです。そこのところを、どうかご理解いただきたく思います。

私たちの会には、40時間近いハンストを毎週ご夫婦でやっておられる方もおられます。また、毎週、2回とか3回(ほぼ一日置き)、2年近く続けている人もいます。さらにまた、ここが天下分け目の闘いというときには、長期間ハンストに入る覚悟を固めている人もいます。

「命がけでやらないハンストなど意味がない」とか、「街頭に出てやれ!」、「ひま人のマスターベーション」などなど、口で批判するのは簡単です。しかし、今、日本が置かれている状況にあって、一人の市民として、いえ人間として何ができるかを考えに考えつくしてできた答えが、リレー式のハンストであり、それが2年以上も続いているということの意味を、お考え頂きたく思います。

ちなみに、ある高名な哲学者の方から、「ガンジーの思想と実践モラルとしてノハンストが、リレー式という形で日本に受け入れられていることを知り、感銘を受けました」というお便りをいただいていることを書き添えておきたく思います。

 

5−ハンストの参加者を増やし、運動の輪を広げていくために、どのようなことをしてきたのですか?

A−2年前の自衛隊がイラクに派兵された時点で、国民の60%以上が派兵に反対し、今でも過半数以上が反対している現実に鑑みて、私たちの運動が、国民の意思を代行し、信託を受けた運動であるといえるためには、参加者の数を増やし、運動の輪を全国的に広げていくことは、私たちにとって大きな課題でした。そのためには、運動の存在と目的・趣旨を、できるだけ多くの国民に知ってもらうことが第一条件と考え、新聞・テレビ・メディアでの露出に向けて、できることはすべてやってきましたが、運動そのものが地味で、目立たないこと、派兵問題そのものに対する世論の関心が薄れてきたことなどが原因で、必ずしも満足できる成果が上がっていません。しかし、それでも、これまでに、朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、東京新聞、日本経済新聞、京都新聞、北海道新聞、信濃毎日新聞、赤旗などに紹介され、そのつど、参加者は増えています。

6−「ガンジーの会」ではハンスト・リレーの他に、どのような活動を行っているのですか?

A−以下のような活動を行ってきました。

*ホーム・ページを開設し、会員同士の友好を深め、自衛隊のイラク派兵問題や改憲の問題につ  

いて議論を深めています。

*また、キャンドル・ルームを設け、イラク戦争の犠牲となられた方々の冥福を祈るため、蝋燭 

を点して います。
  
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日本人ジャーナリストが捕虜になったり、香田証生さんが公開処刑されたとき、さらには8月

15日の終戦記念日や昨年12月14日、自衛隊の派遣期間が延長されたときなど、24時間

の一斉ハンストを行い、これには15人20人が参加しています。
    
* また、私たちの運動の趣旨と目的をより広く知ってもらうために、メール・マガジン「ガンジ

ー村通信」を毎週2回発行、これまでに182号(2006年3月1日現在)発行されています。

大変ユニークかつ内容の濃いメルマガなので、ぜひご購読ください。
    

7−「九条の会」のような講演会は行ってないのですか?
  

A−講演会はまだ開いていませんが、会の主催で2004年12月には、チャリティ・コンサートを開き、2005年3月には、「ガンジーの会」世話人の一人、高橋如安さんの作曲、香取俊介さんのシナリオ、飯村孝夫さんの演出、山本淑子さんの舞台美術で、ハンセン氏病オペラ「チバリヨ」を、そして4月には永井荷風のオペラ「葛飾情話」の公演を、協賛という形で行っています。

尚、近い将来「九条カフェ」のようなものを開こうと計画しています。これは、40−50人程度集まれるスペースを借り、コーヒーを飲みながら、九条について議論するというものです。
 

8−なぜ、自衛隊のイラク派遣に反対なのですか?

A−憲法第九条の「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」という規定に違反するからです。

そもそも、アメリカのイラク攻撃は、イラクが大量破壊兵器をもっているからだという、きわめて信憑性に欠けた理由で行われたものでした。しかし、戦争が終わってみたら、大量破壊兵器は発見されなかった。つまり、アメリカは大義のない戦争をイラクに仕掛けたことになります。自衛隊のイラク派遣が、アメリカの要請に基づいて行われた以上、日本は大義のない戦争に加担したことになる。そのことが、九条の精神に明らかに違反するし、戦争状態が続くイラクに、完全武装した自衛隊を駐留させても、イラクの復興援助に寄与することにならない、それどころか逆にイラクと将来的関係を悪化させる要因となりかねないと思うからです。

私たちが、派兵に反対するもう一つの理由は、それが憲法改悪・九条廃棄の動きとリンクしているから。つまり、派遣が九条に違反すること、さらに大半の国民世論が派遣に反対していることを知りながら、派兵を強行したことの背景に、今回の海外派兵を既成事実として国民に認めさせ、憲法改悪、九条廃棄のため地ならしをしておこうという小泉内閣と自民与党の思惑が、明らかに読み取れるからです。

9−なぜ九条は守らなければならないのですか?

A−「非暴力」の精神に基づき、戦争権の放棄を謳っているからです。日本がボツダム宣言を受けいれ、無条件降伏し、太平洋戦争が終結した当時、広く、地球規模で広がっていた「もう二度と戦争はしたくない」という人々の共同願望を体現する形で作成・制定されたこの憲法は、日本や世界の憲法の理念としての意味を持ち、第九条はその根本精神たる「非暴力」と「戦争放棄」、「永久平和」の理念の象徴でもあるからです。
    

10−でも、自衛隊は世界第3位の軍隊といわれています。九条と矛盾しないのですか?

A−確かに矛盾します。九条の規定に従えば、自衛隊は存在してはならないのです。しかし、日本が置かれた内外様々な状況から、自衛隊は、1950年に警察予備隊として設置され、1954年に自衛隊となりました。以来52年間、今も存在し続けています。つまり、第九条の条文規定は、過去 52年間に渡って、破られ続けてきたわけです。しかし、重要なことは、世界第3位の軍隊が存在するにもかかわらず、九条の規制力から、日本が戦後一度も戦争に巻き込まれることなく、敗戦による荒廃から立ち上がり、奇跡的な経済復興を可能にしたという事実です。九条は、理念として掲げられてきただけでなく、日本を復興させ、成長・発展させる上での現実的原動力としても、機能してきたのです。

11−しかし、中国の経済成長が著しく、軍事大国化し、その脅威が日ごとに大きくなっている現実を見るとき、九条の足かせを外し、自衛隊を正規の国防軍として認め、中国と戦える体制を整えるべきだという意見もありますが。

A−確かに、潜在的に中国の軍事的脅威が高まりつつあることは認めます。しかし、重要なことは、中国の軍事力が果たしてどれだけのものか、そしてその脅威がどこまで高まっているかを、客観的に検証することがまず最初に行われなければならないと思います。つまり、中国の軍事的脅威をことさらに言い立てて、九条の改変や廃棄を迫るやり方は、将来の日本に禍根を残す、大変危険なやり方といわざるを得ません。
   
さらにまた、中国の脅威が並々ならぬものであることが判明しても、だからといって、すぐに九条を改変・廃棄して、自衛隊を国防軍に格上げすることが、日本の安全を確保する上で、現実的に有効といえるかというと、私たちは首を傾げざるを得ません。そうすることで、一層中国の警戒心を高まらせ、戦争の危機が高くなる恐れが大だからです。また、自衛隊が国防軍化し、戦闘能力が一気自衛隊が国防軍化し、戦闘能力が一気に高まると、アメリカが日本に対して警戒心を抱き、日米関係にもひびが入りかねません。その他、韓国や北朝鮮、東南アジア諸国との関係にも悪い影響を及ぼすでしょう。
    
大切なことは、軍事的脅威を背景に、対立構造の中に平和の可能性を探ることでなく、外交や民間交流を通して、憎悪や敵対心を可能な限り低くおさえているために、努力を積み重ねていくことではないでしょうか?
    

12−しかし、中国は過去にチベットなど周辺自治区に残虐な侵略を行ってきたし、今行こなわれている過激な半日教育の将来を思うと、日本に対する憎悪心に駆られて、日本を攻めてくることも考えられるのではないでしょうか?

A−確かに、過去の王朝や共産党支配下の中国が残虐非道なことをやってきたことは確かです。しかし、そうした残虐な弾圧・抑圧は、権力階級が自己の支配権をより強化し維持するために行った悪行であり、だからといって、中国人一般が残虐で非道な人間とはいえません。加えて、戦後60年、日本と中国間の人や物のレベルでの交流のネットワークが比較にならないくらい広く、厚く、強くなっている現実、さらに中国人が現実主義的考え方を取る民族であること、そして過去一度も、中国が海を渡って日本を攻めてきたことがないことなどを考えると、いかに反日教育が行われていても、中国民衆全体が日本人に憎悪と敵意を抱き、日本を攻撃してくるようなことは、到底考えられないことです。

13−日本がいつまでも、九条に拘り続け、アメリカからの要請にこたえて自衛隊を海外に派遣できないと、アメリカの不興を買うだけでなく、世界からも非難されるのではないですか。

A−二つポイントがあります。一つは、日本はこれまで、国連や後進国、未開発国に対して様々な形で援助を行い、国際貢献してきたわけで,戦争、それも地域的戦争が起こった際に、兵隊を前線に送れないから国際貢献度が低いなどといわれる筋合いではないということ。兵士を前線に送り込むことは大変なことである。だが、戦争はいつか終わる。特に第二次世界大戦後の戦争はおおむね地域戦争であり、ベトナム戦争を除いて、長くて一年という期間で終わっている。つまり、兵士を送ることは期限付きの負担であるが、日本が背負っているような負担は終わりのない負担であり、それを日本が背負い続けていることは、もっともっと国際社会で評価されるべきものである。

もう一つは、4年、あるいは長くて8年しか任期のないアメリカ大統領、それも国民の半分すれすれしか支持を得ていないブッシュ大統領が決断し、遂行した戦争、しかも「大義」のない戦争のために、日本の根幹である憲法を枉げて、あるいは放棄してまでして、協力する必要はどこにもないないということである.加藤周一氏が語っているように、第二次世界大戦後の戦争は、おおむねアメリカが仕掛けた戦争であり、アメリカがコミットすることで泥沼化し、アメリカが撤退することで、秩序が回復している。つまり、アメリカは間違った戦争をしてきたのであり、そうである以上、日本はアメリカの要請を受け入れる筋合いではない。

14−しかし、日本がアメリカの要請を断ったら、アメリカから報復をうけるのでは?

A−そうかもしれません。しかし、だからといって、矛盾をはらんでいるとはいえ日米安保条約が存在する以上、在日米軍が直ちに引き上げてしまうようなことは考えにくいし、経済的な制裁も、口では脅してくるでしょうが、実際にはできないと思います。日本とアメリカの軍事的、経済交流のネットワークは、どちらも一方的には断ち切れないように複雑、かつ厚く、広く、強く両国の経済システムの中に組み込まれているからです。
    
一番大切なことは、国民がそれを望んでいないと事実を突きつけて、だから、この面での協力はできない。代わりのこの分野での協力は精一杯やらせてもらいましょう、という形で説得することだと思います。アメリカ人は、最初から「イエス、イエス」ということを聞いてばかりいると、どんどん突け込んできます。どこかで、はっきり「ノー」といい、対立することで、初めて対等な関係が樹立されるのです。

 

15−「九条の会」とは、どのような関係なのですか?

A−直接的には関係はありませんが、会のホーム・ページのトップ・ページに、「私たちは、『九条の会』 のアッピールに賛同し、平和憲法、特に第九条を永久に護持し、その根本精神を 日本のみならず、 21世紀世界の憲法に広げていくために闘います」と謳ってあるように、私たちは、「九条の会」に対して連帯の気持を持ちつつ、ハンスト・リレーを続け、広げていきたく思っています。
    
尚、今年(2006年)の2月9日に行われた「9の日・9条・ハンスト・イン」には、「九条の会」発起人の鶴見俊輔氏が24時間ハンストに参加くださったほか、加藤周一さんや奥平康弘さんから励ましの言葉を頂きました。


16−「9の日・9条・ハンスト・イン」について説明してください。

A−これは、毎月最初の「9の日」、すなわち9日を「九条の日」と定め、その日の午前0時から、参加希望者全員が24時間の一斉ハンストに入るというもので、2月9日に第一回目がスタートし、39人が参加しました。
    
この運動は、自衛隊のイラクからの撤退が今年3月に予定されている中、撤退後に予測される自民党による改憲加速化の動きを阻止するために行われるもので、全国4000を超える「九条の会」やその他平和団体と連帯しながら、参加者を増やしていきたく思っています。

17−2月9日、第一回目の「9の日・9条・ハンスト・イン」が行われた当日、ホーム・ページに相当乱暴な言葉による非難や卑猥な言葉による揶揄・嘲笑が書き込まれたとのことですが、いわゆる「荒らし」と呼ばれる、妨害の書き込みに対しては、どう対処していくのですか?

A−「ガンジーの会」のホーム・ページは「書き込み規定」(HPのトップ・ページを参照)にもあるように、基本的にはハンスト参加者及びこの運動をサポートする人々にオープンに開かれています。いわゆる「登録制」にすると、いたずらや嫌がらせの書き込みを防げるのですが、同時に批判的な意見も排除してしまいかねません。そのため、「登録制」については、もう少し状況をみて考えたいと思っております。私たちは、インターネットという開かれた場で運動を続けてきたのですから、これからも、様々な人たちからの意見を受け止め、議論を深めて行きたいと思います。

しかし、この会の会員としてハンストに参加されている方々は、50代後半からの老年層と女性が多いので、あまりにも乱暴な言葉による暴言、繰り返し行われる一方的非難、卑猥な言葉による揶揄・嘲笑などの書き込みは自粛していただきたく思います。あまりに目にあまるものについては、「書き込み規定」に従い、削除の対象となります。

インターネットを介して、市民による政治行動がどこまで可能かを見極めたいーというのも、私たちがこの運動を続けている理由の一つであることをご理解いただきたく思います。
 

18−最後に、このハンスト・リレーはいつまで続くのですか?

A−ハンスト・リレーをスタートさせたとき、私たちは、「自衛隊がイラクから撤退するまで、ハンスト・リレーを続ける」という声明を出しました。ですから、今の段階で、3月に撤退開始、5月撤退完了が予定されていますので、それまでは間違いなく続けます。このリレーを2年間続けてくる中で、私たちは、途中のある時点で、自衛隊がアメリカの同意なしで、予定の任期前に撤退することはありないという結論に達しました。ですから、2年以上ハンスト・リレーが続くことは、ある程度覚悟していたことです。

ただ5月末に撤退が完了したら、私たちのハンストも終わりなるかというと、そうはなりません。撤退後には、自民党の改憲案に沿った形で、改憲の動きが一気に加速することが予想されているため、ハンストの目的を「自衛隊のイラクからの早期撤退」から「九条改悪・廃棄阻止」に切り替え、「九条の会」に連帯する形で、リレーを継続させていくことが、2月9日に開かれた世話人会で確認されています。おそらく、名称を「九条・ガンジーの会」といったものに変え、「第二次ガンジーの会」として運動を続けていくことになるはずです。

さて、それでは、いつ終わるのかということですが、改憲の是非をめぐって国民投票が行われ、改憲案が拒否されれば、ということは私たちが勝利すれば、そこで終わることは確かです。しかし、逆に負けたらどうなるのか、私たち自身確定的なことは分かりません。ただ、2年間リレーを続けてきたものの気持ちに即して言うと、改憲に抗議してハンスト・リレーを続く限り行い、リレーが続かなくなれば、個人の抗議行動として死ぬまで続けることになるのでないかという気がしています。

そのような形で憲法九条に殉じた日本人が、一人くらいいてもいいのでないか。それが正直な今の気持ちです。